アドホックネットワークの研究
基地局や無線LANアクセスポイントなどの無線通信インフラなしに、端末間で無線ネットワークの構築が可能な、
アドホックネットワークの研究を行っています。直接無線が届かない端末同士も、他の端末が中継することで、
通信が可能です。このことをマルチホップ通信といいます。中継ルートも端末が自律的に判断しますので、
中継端末が移動してしまっても、他の端末を中継するルートに自動的に切り替え、通信を継続できます。
本研究室ではこのアドホックネットワーク技術をいろいろなシステムに適用しています。
自律移動ロボットによるアドホックネットワーク構築技術の研究
災害地など、人が入れない場所の映像監視システムを検討しています。人の代わりに、遠隔での移動制御が可能な
移動ロボットにカメラを搭載し、映像を遠隔オペレータ画面に配信するシステムです。。災害地など
では無線通信インフラが期待できないため、オペレータと移動ロボット間をアドホックネットワークで接続します。
オペレータと移動ロボット間の距離が離れた場合など、直接無線通信ができない場合、複数の移動中継ロボット
を用い、アドホックネットワークを維持します。移動中継ロボットの移動制御をオペレータが行うのは難しいため、
移動中継ロボットが自律的に移動制御を行う、自律移動ロボットによるアドホックネットワーク構築技術の研究を行っています。
簡易設置中継機によるによるアドホックネットワーク構築技術の研究
奈良県川上村では過疎対策の一環として、観光資源のWeb公開を検討しています。観光資源の一つである蜻蛉の滝は、
無線基地局が設置された公園から少し山に入ったところにある落差50mの滝ですが、無線通信インフラ整備されていないため、
映像モニタリングを行うには、蜻蛉の滝から公園内の無線基地局までの無線通信路を構築する必要があります。
また、AC電源も確保できないためバッテリー駆動が必要です。このようなシステムに対応するため、バッテリ駆動可能な
簡易設置中継機によるアドホックネットワーク構築技術の研究を行っています。